樹脂部品の強度の改善方法
樹脂部品の強度UPは当社の研究テーマです。プラスチック材に対して強度要求は材料や製品形状に依存するところが多く、成形加工では高次元で行われてきませんでした。下記に一般的な強度UP・強度安定の対策を示します。
製品設計での対策としては
- 補強リブを設ける。
- 角部に大きめのアールを付ける
- 金属をインサートして局部の強度を増す
- 肉厚を適度に厚くする
- 強度不足になりそうな箇所にはウエルドラインを設けない
材料での対策としては
- 強度要求に合わせた材料の選定する
- ガラス繊維/カーボン繊維強化樹脂を選定する
成形での対策としては
- ヒケ、ボイドの発生しない製品を作る
- 樹脂の劣化のない最適な条件で成形する
1・2は現在使われている主たる対策です。この対策はソリ・変形不良が発生しやすく、設計に対するノウハウが必要です。
対策1・2・4・7は対策8が不可欠となりますが、ヒケ・ボイドを発生させない成形は肉厚の限界や充填圧力の限界があり、非常に不安定な対策といえます。製品設計での肉厚限界や充填圧力確保の為のゲート位置・ゲート面積等が高強度製品を設計・加工する上で大切なノウハウといえます。特に繊維充填強化樹脂の場合は要求性能に沿った繊維配向が不可欠であり、非強化樹脂のそれとは大きく異なります。
<IMP工法による強度の改善方法>
IMP工法は通常の成形と比較して充填圧力を2倍以上に高める効果があり、肉厚限界を広げ、充填圧力分布を緩和させてヒケ・ボイドを抑えることができることから製品設計の自由度が増し、より高強度な製品を作ります。
<IMM工法による強度の改善方法>
IMM工法はウエルドライン強度改善を主目的とした加工技術ですが。繊維配向の制御にも有効に働き、部分的な強度改善を行えます。