ソリの改善方法

ソリはプラスチック射出成形では常に問題となっている不良内容であり、解決に苦労する不良です。特に勘合部品として使用される場合や、高精度を要求されている部品では大きな問題となる不良です。ヒケの改善方法で触れていますが、ソリの原因に関しても同じことが言えます。

1.充填圧力の差(ゲートは充填圧力が高く、反ゲート側は低い傾向にあります)
2.MD/TD方向の収縮率の違い(ガラス繊維等添加剤が入った材料によく見られる現象です
3.製品の肉厚差の違い(樹脂は肉厚により収縮率が変化する傾向にあります)
4.金型温度の差(製品形状や金型の冷却設計により生じる金型表面の温度差)
5.キャビ内の樹脂充填時に発生する逃げ場を失った圧縮された空気
6.スキン層/コア層の収縮率の差や厚さの差
7.形状由来の剛性の差

が不良の因子です。

一般的には1・4あたりが成形メーカーで対処できる内容です。

本来は1~7を総合して設計段階から着手されることをお勧めいたしまが、因子が複雑すぎて対策が打てないのが現実です。結果として、成形メーカーで強制治具等で対処し、手間が掛かり、結果としてコスト削減に繋がりません。

当社ではMoldex 3Dソフトを駆使し、変形解析を行っています。ソリの解析結果を踏まえて製品形状や金型構造へフィードバックすることで起型後の量産移行をスムーズに行っております。残念ながら100%満足できるシステムでは御座いませんが、事前の対策が講じられること、予防処置を踏まえた金型製作が行えることなど、数多くのメリットが御座います。

当社にとって今では信頼のおけるシミュレーションソフトとして、起型・金型修正に活躍しておりますが、今思うと、ソフトを有していない状況で起型することは、コンパスを持たない状態で航海しているようなものだったと思います。

<IMP・IMM工法による改善方法>

弊社の開発した射出成形加工技術は、「必要な箇所に必要な充填圧力」を実現させることが出来ます。
よりまして、対応可能な因子としては、

1.充填圧力の差(ゲートは充填圧力が高く、反ゲート側は低い傾向にあります)
2.製品の肉厚差の違い(樹脂は肉厚により収縮率が変化する傾向にあります)

の2つとなります。それ以外の因子は製品形状や金型構造で対応することになります。

 


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プラスチック加工のPLAMO

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