バリの改善方法
バリの発生要因は金型に隙間が開いていてそこに樹脂が流れ込むのが原因である。金型に隙間が開く原因は、
<成形条件>
- 1-1
金型の合わせが元々問題が在り、隙間がある - 1-2
金型強度に問題が在り、樹脂圧で隙間が開く - 1-3
成形条件上、過度の射出圧力、射出スピードでの充填の結果、型締め圧力が負けてパーティングが開いたり金型プレートが曲がったりする
<対策>
- 2-1
金型に元々隙間がある金型は金型の修理が必要。バランスの良い突き当ては金型の寿命を延ばすことが出来ます。 - 2-2
最近の成形機の傾向は高射出圧、高射出スピード化しています。薄肉成形品に対応するのが目的ですが、その分金型には過酷な条件となっています。また、樹脂も高機能になり、ハイフローの材料が多くなってきています。
その事を踏まえて、金型の強度は高い次元で保つ必要があります。 - 2-3
2-2に記載した通り、強い力で射出された樹脂は型締め力より勝ってしまい金型が開いてしまいます、このようなぎりぎりの条件で長年成形していますと金型のプレートが曲がり、修理が行えなくなります。
<製品設計>
射出成形において、射出圧力を出来るだけ下げる試みが必要です。バリにおいてもですが、ヒケ、ソリにおいても基本となる設計思想は射出圧力を下げられるかという観点から行う事を推奨いたします。ただ、樹脂の種類により、最適な肉厚寸法が異なりますし、必要な強度もありますので材料の特性を踏まえての材料の選択、製品設計となります。
<IMP工法/IMM工法による改善方法>
IMP工法/IMM工法の利点は過度の射出条件が必要なく、圧縮にて対応する事です。 また、圧縮するタイミングを任意に設定できることはスキン層形成後に圧縮を掛けることによりバリの発生を抑制します。その意味では金型に優しい加工技術です。