米国⇒日本⇒中国について
歴史を振り返ると色々な事が観えてくる。
以前日本は外国製品の物まねを繰り返し、なんとか製品を外国に売ろうと
努力をしていた時代がある。
それから日本の製品が品質面で優れるようになり、自然と海外で優位な立場になり
多くの外貨を稼ぐようになった。
次に現れた現象がデザインを含んだブランドの構築となる、ここまで行くと
品質や機能で劣る海外製品は適ではなくなり、
MADE IN JAPANが大きな勢力となる。
少しお年をめした方であれば米国で起きた貿易摩擦の時の映像を覚えていると思う
数人のアメリカ人が大型のハンマーを持って日本車を潰していた映像である。
今から20年程度前のことであった。
それから20年経ち米国の製造業の衰退はかなりの物である、3社あった自動車会社が1社のみになり、IBMは汎用PC事業から撤退し、GEに到っては家電を捨てて
医療機器メーカーとなった。
日本の安くて質の良い耐久消費財が米国の製造業を大きく変質させたのである。
製造業では食べていけない米国は金融にシフトし、現在の問題に発展した。
現在の日本は20年前の米国と同じ立場に立たされつつある。
中国の国策により多くの製造拠点を中国に誘致し、製造技術を獲得し
中国企業の名前で日本製品の物まね品を輸出し始めて何年か経過している。
既に中国製品も単純な製品では日本製と遜色がなくなってきている。
最近聞いた話であるが、中国製のハイブリッド車が発売されたそうである。
着実に力を付けてきている。巨額な資本を武器にM&Aを仕掛けている
背景には、次のステップであるブランドの構築に向けた動きとなっている。
日本の場合は国内企業が独自にブランド戦略を行っていったのであるが、
中国の場合はアメリカの衰退した企業を買収してブランドを手っ取り早く
構築しようとしている。
5年10年のスパンで経済の移り変わりを見ていくと
大きな流れが見えてくる、現在日本が置かれている状況が把握できる。
製造業において中国と同じ事をやってては企業が成り立たなくなる時代が
直ぐそこまで来ている。
加速度的に日本に押し寄せてくるこの波をどのように受け止めるかが
日本の製造業の将来がかかっている。