ウエルドラインについて
ウェルドラインの強度不足はプラスチック射出成形業界の永遠の課題でした。
特にガラス繊維等を添加した強化樹脂における強度低下はウエルド以外の強度の約50%程度であり、強化樹脂の持つメリットを十分に生かせないことが問題であり、樹脂製品の設計者を悩ませていました。特に長繊維強化樹脂の場合の強度低下は大きな問題としてその普及を遅らせています。
ウエルド強度を改善する手法は様々あります。IMM工法も同様ですが、一度形成されたウェルドラインを内部流動を変化させ、ウェルドラインを拡散させるものです。しかし、多くは射出による流動に依存しており、非常に不安定と言える加工技術です。
IMM工法は機械的に圧縮を加えることで、安定したウエルド強度を実現できる加工方法です。開発した当初は溶融樹脂の固化する現象について固定観念がありましたが、開発を進化させていく段階で、異なることが解りました。IMM工法はLCP樹脂には不向きであろうと言われておりましたが、実際に開発しますと、向いていることが判明しています。
ウェルドライン強度改善は技術的に奥の深いものであり、安易に取り組むと大きな失敗を起こします。経験を積んだ成形業者を選定させることをお勧めいたします。