ソリのメカニズム
射出成形において問題の一つが、 「ソリ」である。 金型内で冷却された製品が金型から取り出された直後に 変形を起こしてしまう現象を言う。樹脂が固化する段階で熱収縮を起こし、 そこから発生する充填圧の変位によってソリが発生する
【原因】
① 固化する速度の違いによるもの
② 製品中心部にボイドなどが出来た場合、 樹脂密度の差によるもの
③ 樹脂の分子配列が均一でなく、その差によるもの
④ 繊維配向の差によるもの
製品にソリが出来ると寸法が大きく公差外するだけでなく、組立品としてのクオリティーが損なわれる。
問題は一度そってしまった成形品を成形条件でソリを止めることが 至難の業であるかといった点である。多くの場合は成形直後に製品に力を加えて矯正する方法が一般的であるが、 この事を行なう事により製品コストが上がり、 なにより、熱を加えた際にソリが元に戻ってしまう。近年ではソリのシュミレーションソフトが開発されており、解析結果と製品設計を上手に組み合わせることで多くのソリ問題は解決できる。
当社では頂戴した図面をもとに解析を行い、ソリの発生し難い製品形状を提案することで、矯正などを行わず、安定した製品を製造することが出来る。また、設計上譲れない部分はIMM工法や金型構造等を採用して予防措置を取っています。